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 ●オススメの1枚
TODD RUNDGREN & GEORGE HARRISONプロデュース・バッドフィンガーの名作。Baby Blue・Day After Dayなどの名曲が収録されている。泣きメロ度も180%でPETE HAMの才能が爆発している。彼らの他のアルバムも泣きメロ度が高い。日本やアメリカよりも本国英国での評価の方が高い。「パイロット」が好きな人には絶対オススメ。


BADFINGER DISCOGRAPHY
text by denim
1.Maybe Tomorrow
IVEYS(1969 Apple/EMI)
@See-Saw Granpa* ABeautiful And Blue* BDear Angie CThink About The Good Times DYesterday Ain't Coming Back EFisherman* FMaybe Tomorrow GSali Bloo HAngelique II'm In Love JThey're Knocking Down Our Home* KI've Been Waiting LNo Escaping Your Love MMrs Jones NAnd Her Daddy's A Millionaire OLooking For My Baby**
<Players >G/Vo.-Pete Ham, G/Vo.-Tom Evans, Dr.-Mike Gibbons, B.-Ron Griffiths
“ビートルズの弟分”という形でデビューしたバッドフィンガー。このアルバムはバッドフィンガーと名乗る以前に“アイヴィーズ”として発売された幻のデビューアルバムで、なぜか本国イギリスとアメリカでは発売がキャンセルになり、イタリア・日本・ドイツのみで発売されたが、どこも惨憺たる結果でCD化が進んでもなかなか発売されなかった。
このアルバムに収録されている一部の曲は、このあとに“バッドフィンガー”名義で発売される“マジック・クリスチャン・ミュージック”に収録されることになる。L〜Oはボーナストラックで、シングルのB面などである。
ピート・ハムとトム・エヴァンスという二人のメロディーメーカーが織りなす素晴らしいアルバム。トム・エヴァンス作のタイトル曲FMaybe Tomorrowは名曲。

2.Magic Christian Music
(1970 Apple/EMI)
@Come And Get It ACrimson Ship BDear Angie CFisherman DMidnight Sun EBeautiful And Blue FRock Of All Ages GCarry On Till Tomorrow HI'm In Love IWalk Out In The Rain JAngelique KKnocking Down Our Home LGive It A Try MMaybe Tomorrow NStorm In A Teacup OArthur
<Players >G/Vo.-Pete Ham, G/Vo.-Tom Evans, Dr.-Mike Gibbons, B.-Ron Griffiths
アイヴィーズ名義のデビューアルバムが売れず、バンド名を変更して“バッドフィンガー”となる。通算2作目で、“バッドフィンガー”というバンド名の名付け親はポールともジョンとも言われている。このアルバムはピーター・セラーズ主演映画のサウンドトラックに数曲追加したもので、前作と数曲ダブっているが、ポール・マッカートニー作の@Come And Get It(マジック・クリスチャンのテーマ)がヒット。プロデューサーにもポールが名を連ね(マル・エヴァンス、トニー・ヴィスコンティ)話題になる。
1969年9月にベーシストのロン・グリフィスが脱退し、トム・エヴァンスはベースに転向、新たにジョーイ・モランドが加入する。 ピートとトムのGCarry On Till Tomorrowが泣ける。

3.No Dice
(1970 Apple/EMI)
@I Can't Take It AI Don't Mind BLove Me Do CMidnight Caller DNo Matter What EWithout You FBlodwyn GBetter Days HIt Had To Be IWatford John JBelieve Me KWe're For The Dark LGet Down MFriends Are Hard To Find NMean Mean Jemima OLoving You PI'll Be The One
<Players >G/Vo.-Pete Ham, B/Vo.-Tom Evans, Dr.-Mike Gibbons, G/Vo.-Joey Molland
ジョーイ・モランドを迎えての通算3作目。プロデュースはジェフ・エメリック(ジョージ・マーティンの片腕的存在)。パワーポップの原点とも言えるDNo Matter What(嵐の恋)や、泣きメロ全開の名曲EWithout You、隠れた名曲CMidnight Callerなどが収録された、超強力盤。このアルバムで“ビートルズの弟分”という煩わしい冠も取れたのではないだろうか。
ピート・ハムの才能が開花した一枚。

4.Straight Up
(1971 Apple/EMI)
@Take It All ABaby Blue BMoney CFlying DI'd Die Babe EName Of The Game FSuitcase GSweet Tuesday Morning HDay After Day ISometimes JPerfection KIt's Over LMoney MFlying NName Of The Game OSuitcase PPerfection QBaby Blue
<Players >G/Vo.-Pete Ham, B/Vo.-Tom Evans, Dr.-Mike Gibbons, G/Vo.-Joey Molland
トッド・ラングレン(ジョージ・ハリスンが全曲プロデュースする予定だった)がプロデュースした通算4作目にしてバッドフィンガーの最高傑作アルバム! 特にABaby BlueとHDay After Day、DI'd Die Babeは“元祖パワーポップ!”ナンバー。このアルバムに関しては特に言葉は必要ないでしょう。必聴!の一枚。L〜Qはボーナストラック。ピート・ハムのメロディセンスが大爆発! AのUSシングルヴァージョンであるQも捨てがたいので、是非聴き比べてみよう。
余談ですが、トッドとはうまくいかなかったようです。

5.ASS
(1973 Apple/EMI)
@Apple Of My Eyes AGet Away BIcicles CThe Winner DBlind Owl EConstitution FWhen I Say GCowboy HI Can Love You ITimeless JDo You Mind
<Players >G/Vo.-Pete Ham, B/Vo.-Tom Evans, Dr.-Mike Gibbons, G.-Joey Molland
アップルの経営難の影響をモロに受け、アップル時代最後のアルバムとなる。クリス・トーマスのプロデュース。収録曲の半分がジョーイ・モランドの手によるもの。前作でのソングライティングは、バッドフィンガーとしてはちょっと異質な感じがしたが、このアルバムではピートの書くやや暗めの曲に対し、メリハリのあるサウンドが特徴。特にBIciclesは絶品で“バッドフィンガー”を担うソングライターの一人に成長した。
最も全体的にはジョーイの成長が目だっただけで、ピートやトムの曲がやや霞んでしまっている印象を受ける。

6.badfinger
(1974 WanerBros.)
@I Miss You AShine On BLove Is Easy CSong For A Lost Friend DWhy Don't We Talk? EIsland FMatted Spam GWhere Do We Go From Here? HMy Heart Goes Out ILonely You JGive It Up KAndy Norris
<Players >G/Vo.-Pete Ham, B/Vo.-Tom Evans, Dr.-Mike Gibbons, G/Vo.-Joey Molland
ワーナー移籍第一弾、通算6枚目のアルバム。プロデュースは前作同様クリス・トーマス。前作でのピートの曲に比べると格段に“らしさ”が発揮されている。@I Miss YouやAShine On(トムとの合作)などは名曲だし、FMatted Spamはラッパも入ってソウルフルなナンバー。
トムもGWhere Do We Go From Here?という泣きメロナンバーを提供し、健在振りをアピール(?) ピート作のILonely Youがイチオシ。

7.Wish You Were Here
(1974 WanerBros.)
@Just A Chance AYour So Fine BGot To Get Out Of Here CKnow One Knows DDenis EIn The Meantime, Some Other Time FLove Time GKing Of The Load HMeanwhile Back At The Ranch, Should I Smoke
<Players >G/Vo.-Pete Ham, B/Vo.-Tom Evans, Dr.-Mike Gibbons, G/Vo.-Joey Molland
1年に2枚というハイペースな通算7枚目にしてバッドフィンガー・ラストアルバム。プロデューサーはクリス・トーマス。CKnow One Knowsで日本語が出てくるが、サディスティック・ミカバンドもプロデュースしていたクリス・トーマスの遊びであることは有名な話。
“パワーポップのルーツ探し”でよく話題になるバッドフィンガーだが、@Just A ChanceやCKnow One Knowsを聴くとそのサウンドといい弾け具合といい、まさに頷ける仕上がり。やはりピート・ハムは天才だと言わざるを得ない。日本盤オビにある“傑作ポップ・アルバム”というコピーに偽りなし!
 このアルバムの全米ツアー後、ジョーイ・モランドが脱退し、75年4月にはピート・ハムが自殺してしまい事実上バッドフィンガーは解散。78年にはトム・エヴァンスとジョーイ・モランドがトニー・ケイ、ピーター・クラークらと共に“新生バッドフィンガー”を結成し、アルバムAIR WAVESを発表。さらに81年にはSAY NO MOREを発表する。しかし、83年にはトム・エヴァンスまでもが自殺し、現在ジョーイ・モランドが“ひとりバッドフィンガー”として孤軍奮闘中。

8.Day After Day Live '74
(1990 RYCO)
@Sometimes AI Don't Mind BBlind Owl CGive It Up DConstitution EBaby Blue FName Of The Game GDay After Day HTimeless II Can't Take It
<Players >G/Vo.-Pete Ham, B/Vo.-Tom Evans, Dr.-Mike Gibbons, G/Vo.-Joey Molland
1974年3月3日、アメリカ・オハイオ州クリーヴランドでのライヴアルバム。ライコでのリリースだが、日本ではポリグラムが販売元となる貴重なライヴ音源。スタジオ録音では味わえないパワフルなバッドフィンガーを聴くことができる。

9.the best of badfinger
(1995 EMI)
アップル時代の“マジック・クリスチャン・ミュージック”から“アス”までの名曲を集めたベスト盤。全21曲入りで初心者の方にオススメ。

10 .7 Park Avenue
Pete Ham(1997 RYCO)
ピート・ハムのソロ作品集第一弾。ホームレコーディングによる“デモ・テープ”的な作品集。詳細なピート・ハムのヒストリーが掲載されています。日本盤にはボーナストラックが2曲入っています。

11 .Golders Green
Pete Ham(1999 RYCO)
ピート・ハムのソロ作品集第二弾。コアなファン向け。

12 .COME AND GET IT
a tribute to Badfinger(1996 Copper Discs)
バッドフィンガーのCD化が盛り上がった時期に発売されたトリビュート盤。トリビュート盤は当たり外れがはっきりしているが、これは“大当たり”です。
中でも個人的に注目しているのは、MIDNIGHT CALLERをカヴァーしている“クリス・ヴォン・スナイダーン”というアーティスト。サンフランシスコを拠点にして活動しており、バッドフィンガー直系のパワーポップを信条にしています。ピート・ハムのソロ作品集ではマスタリング・エンジニアなども務めており筋金入りの“バッドフィンガー・フォロワー”と呼べるでしょう。その他にもコットン・メイザーやナックなども参加していて楽しめます。



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