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 ●オススメの1枚
FELTの入門編として是非聴いて欲しいアルバムです。前作、前々作とやや暗めの印象だったFELTが、吹っ切れたかのような明るさを表現しています。別にバンドの方向性が変わった訳でもないのにギターといい、ヴォーカルといい、メロディといい“泣きメロ・テイスト”が存分に発揮されていて、この後の“IGNITE THE SEVEN CANNONS”にも受け継がれている初期FELTを代表するアルバムです。
ジャケット画像は“IGNITE THE SEVEN CANNONS”とのカップリングCDですが、トイズ・ファクトリーより(通称トイズ盤)それぞれ単独で発売されています。現在入手可能かどうかは不明。


FELT DISCOGRAPHY
text by denim, Material by Takumi-K(Thanks!)*****発売年はアナログ盤に準拠
1.Crumbling The Antiseptic Beauty
(1982 Cherry Red)
@Evergreen Dazed AFortune Bbirdmen Ccathedral DI Worship The Sun ETempleroy
<Players >Vo./G-Lawrence, G-Maurice Deebank, B-Nick Gilbert, Dr.-Gary Ainge
バーミンガム出身のローレンスの一人プロジェクトだったフェルトのオリジナル・メンバーは、ローレンスに加えモーリス・ディーバンク(G)、ゲイリー・エインジ(D)の3名。このミニ・デビューアルバムはインストゥルメンタル・ナンバーもあり、ローレンスとディーバンクが持ち味を発揮しています。ローレンスの低くこもるような歌声と華やかながらも憂いのあるディーバンクのギターは“ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・ミーツ・ネオアコ”という雰囲気。プロデュースはジョン・A・リヴァース。このアルバム発表後モーリス・ディーバンクは一時バンドを離れました。

2.The Splendour Of Fear
(1983 Cherry Red)
@Red Indians AThe World Is As Soft As Lace BThe Optimist And The Poet CMexican Bandits DThe Stagnant Pool EA Preacher In New England
<Players >Vo./G-Lawrence, G-Maurice Deebank, B-Mick Lloyd, Dr.-Gary Ainge
モーリス・ディーバンク、アルバムまでに間に合いました。無事復帰です。ベースがミック・ロイドに代わっており、前作よりもさらにギターの音色が優しく華やいだ印象です。そのせいか全体的な雰囲気まで変化し、透明感のあるサウンドが展開されていて、FELTらしさが完成したアルバムと言えます。プロデュースは前作同様、ジョン・A・リヴァース。EA Preacher In New Englandは実にせつないインストナンバーです。

3.The Strange Idols Pattern and Other Short Stories
(1984 Cherry Red)
@Roman Litter ASempiternal Darkness BSpanish House CImprint DSunlight Bathed The Golden Glow EVasco Da Gama FDismantled King Is Off The Throne GCrystal Ball HWhirlpool Vision Of Shame
<Players >Vo./G-Lawrence, G-Maurice Deebank, B-Mick Lloyd, Dr.-Gary Ainge
プロデュースがジョン・レッキーに代わったサードアルバム。よりフックのあるメロディラインに、キャッチーで“芸術的”ともいえるディーバンクのバッキングが合体した名作。@Roman Litterで聴ける“ハーモニックス奏法”に痺れました。泣きメロが目白押しの作品です。CImprintのギターがとても印象的だしDSunlight Bathed The Golden Glowでは、アズテック・カメラも腰を抜かすほどの青春ネオ・アコが展開されています。

4.Ignite The Seven Cannons
(1985 Cherry Red)
@My Darkest Light Will Shine AThe Day The Rain Came Down BScarlet Servants CI Don't Know Which Way To Turn DPrimitive Painters ETextile Ranch FBlack Ship In The Harbour GElegance HSerpent Shade ICaspian See JSouthern State Tapestry
<Players >Vo./G-Lawrence, G-Maurice Deebank, Key-Martin Duffy, Dr.-Gary Ainge, with B-Marco Thomas,
ミック・ロイドが脱退し、その後のフェルト・サウンドの要となるキーボーディスト、マーティン・ダフィーが加入しました。全体にキーボードが霧のようにかかり、ギターが少し控えめになりましたが、前作同様泣きメロが目白押しです。AThe Day The Rain Came Down、CI Don't Know Which Way To Turnなどが泣きメロで良いです。DPrimitive Paintersでは、またまたハーモニックス奏法が聴けますが、女性コーラスがメチャクチャ利いてます。ETextile Ranchも好きなインスト・ナンバー。キーボードが入ってからこういうインストものの幅が広がったような気がします。その分緊張感は少し減ったような…。モーリス・ディーバンクはこのアルバムを最後に脱退しました。

5.Let The Snakes Crinkle Their Heads To Death
(1986 Creation)
@Song For William s Harvey AAncient City Where I Lived BThe Seventeenth Century CThe Palace DIndian Scriptures EThe Nazca Plain FJewel SkyGViking Dress HVoyage To Illumination ISapphire Mansions
<Players >G-Lawrence, Key-Martin Duffy, B-Marco Thomas, Dr.-Gary Ainge
クリエイション移籍第一弾は、いきなりインストものです。ギターはローレンスが弾いてますが、かなりいい味を出しています。やはりキーボードの威力は絶大で、モーリス・ディーバンクの穴を見事に埋めている感があります。もちろん別物ですけど…。結構明るめの楽曲が特徴で、初のセルフ・プロデュースアルバムでもあります。サウンド的には肩の力が抜けて、実に軽やかに仕上がっております。でもローレンスの歌声が聴きたいです。
ジャンルが違いますが、移籍第一弾がインストものというと同じくクリエイションに移籍したティーンエイジ・ファンクラブを思い出します。

6.Forever Breathes The Lonely Word
(1986 Creation)
@Rain Of Crystal Spires ADown But Not Yet Out BSeptenber Lady CGrey Streets DAll The People I Like Are Those That Are Dead EGather Up Your Wings And Fly FA Wave Crashed On Rocks GHours Of Darkness Have Changed My Mind
<Players >Vo./G-Lawrence, Hammond Organ-Martin Duffy, B-Marco Thomas, Dr.-Gary Ainge, with G-Tony Wille
クリエイション時代で最も明るく、初期のフェルトを彷彿とさせるサウンドです。プロデュースは久しぶりのジョン・A・リヴァース。ヘロヘロなローレンスの歌声が実に力強く聴こえる不思議なアルバムです。ギターもサポートメンバーを加え、“ディーバンクが少し手伝いに来た”というような印象も受けます。やはりフェルトにはギターサウンドがよく似合うことを再認識させられました。90年に発売されたCDのバックジャケットのクレジットにはBSeptenber Ladyが表記されていません。

7.Poem Of The River
(1987 Creation)
@Declaration ASilver Plane BShe Lives By The Castle CStained-Glass Windows In The Sky DRiding On The Equator EDark Red Birds
<Players >Vo./G-Lawrence, Hammond Organ-Martin Duffy, B-Marco Thomas, Dr.-Gary Ainge, with G-Tony Wille, Neil Scott
プロデュースのせいでしょうか? ドラムがちょっと打ち込みっぽいサウンドに仕上がっています。ただローレンスの声の存在感がとても身近に感じられるのは気のせいかな? 楽曲的には地味めですが、地味なりにローレンスの声がマッチした仕上がりです。すっかりギター色は消えてしまいました。その分ハモンド・オルガンが前面にフィーチャーされています。

8.The Pictorial Jackson Review
(1988 Creation)
@Apple Boutique AIvory Past BUntil The Fools Get Wise CBitter End DHow Spook Got Her Man EChristopher St FUnder A Pale Light GDon't Die On My Doorstep HSending Lady Load IThe Darkest Ending
<Players >Vo./G-Lawrence, Key-Martin Duffy, B-Mick Bund, Dr.-Gary Ainge
@Apple Boutique AIvory Pastはフェルトっぽくないです。BUntil The Fools Get Wiseからようやくローレンスの歌声も入り、ポップなフェルトが聴こえてきます。CBitter Endを聴いた時点でふと気付いたのがローレンスの歌い方です。なんか普通に唄っていて、いつものヘロヘロ感というか浮遊感が全くありません。サウンド的には“ガレージなフェルト”という例えが妥当なところでしょうか?
(曲順はアナログ盤に準拠)

9.Train Above The City
(1988 Creation)
@Train Above The City AOn Weegee's Sidewalk BRun Chico Run CPress Softly On The Brakes Holly DSpectral Morning ETeargardens FBook Of Swords GSeahorses On Broadway
<Players >Piano-Martin Duffy, Dr.-Gary Ainge
いくらフェルト名義とはいえ、ローレンスがいないのは違う(笑) マーティン・ダフィーとゲイリー・エインジに恨みはないが、ほとんど聴かないアルバム。とは言っても、これをフェルト名義にするというのは逆にフェルトの懐の深さを感じる。それにしても8(↑)とカップリングしてあるこのCDは、曲順がバラバラでひどいもんだ。

10.Me And A Monkey On The Moon
(1989
@I Can't Make Love To You Anymore AMobile Shack BFree CBudgie Jacket DCartoon Sky ENew Day Dawning FDown An August Path GNever Let You Go HShe Deals In Crosses IGet Out Of My Mirror
<Players >Vo./G-Lawrence, Key-Martin Duffy, Dr.-Gary Ainge, with G-John Mohan, Richard Left, B-Robert Young, Backing Vo-Rose McDowall, Peter Astor
スライドギターも入って、結構悲しげで印象に残るナンバー@I Can't Make Love To You Anymoreで始まるフェルト・ラストアルバム。全体的に明るさや弾け具合が少なく、地味な印象を受けるが実は結構味のあるアルバム。最後の最後でギターサウンドも少し戻ってきました。インナーにはモノクロですが、フェルトの全オリジナルアルバムのジャケットが入っています。

11.Inner Thought Zone
Maurice Deebank(1984/1992 Cherry Red)
@The Watery Song AFour Corners Of The Earth BStudy No.1 CGolden Hills DSilver Fountain Of Paraise Square ESo Serene FDance Of Deliverance GPavane HA TAle From Scriabins Lonely Trail IMaestoso Con Anima
<Players >G-Maurice Deebank, Key-John Cotton, B-Dave Elson
4(↑)を最後に脱退してしまった、初期フェルトのサウンドクリエイトの中心人物、モーリス・ディーバンクの84年発表のソロ・アルバム。92年にAdditional Trackを追加して再発された。もう少し力を入れると切れてしまいそうな緊張感のあるギターサウンド(インスト)が全編に渡り展開されている。初期フェルト・ファンは必携の一枚。中古ショップでトイズ盤が買えます。



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