基礎知識１〜まずは準備

　会社の制作部などに所属している方は、まわりに必ずMacに詳しい人がいると思いますので問題はないと思いますが、例えば独立したい人にとってはなんとも心細いものです。そのような方はまずMacの仕組みを把握しておく必要があります。「Macが起動しない」とか「システムを認識しない」などのトラブルは「あって当たり前」と思っていた方が良いでしょう。仮にトラブルが発生した時にすぐに来てくれる人がいるならまだしも、そうでない場合は一人でなんとかしなくてはなりません。
　特に仕事中で「明朝までに入稿」などという場合にトラブルは起きるような気がします。
　その為に以下のような準備をしておきましょう。

• モニターが映らない時の為に
  • モニターの予備を用意する
  • 接続ケーブルと電源ケーブルの予備を用意する
• MACが起動しない・SAD MACが出る
  • できれば同じ性能のMACも用意する
  • SCSIケーブルや電源ケーブルの予備を最低一本は用意する
  • 内蔵SCSIケーブルを用意する
  • 内蔵HDの予備を用意する
  • ターミネータの予備を用意する
  • その他、現在接続されているケーブルの予備は必ず用意する
  • Nortonなどのディスクユーティリティを用意する
  • 使用しているMACのシステムディスク（CD-ROM）
• その他
  • プリンターのトナーやインクの予備は必ず用意する
  • MOドライブとメディアの用意
  • 2HDフロッピーは使い捨てる

　以上が大雑把な準備です。もちろん上記以外のトラブルも十分考えられるので、よく使う機器の予備は必ず用意しておきましょう。
　特にMOドライブは必須と考えておいて下さい。用意してあるとデータのバックアップを取ることでハードディスクのクラッシュ時にダメージが少なくてすみます。さらに、ハードディスクの節約にもつながります。

基礎知識２〜トラブル対処法

　次に必要なのは、ある程度のトラブルに対する処置をできるくらいの知識です。残念ながらここで全てのトラブルを想定した解説はできませんが、上記の用意があれば、ある程度の事は解決できます。
　そこで以下に代表的なトラブルと解決方法を挙げておきます。それ以外のトラブルでお困りの方は掲示板に書き込んでみてください。わかる範囲でお答えします。

• システム起動時に「？」アイコンが出る
  • CPUが「システムフォルダ」を捜せない事が原因です。システムディスクを挿入して、強制再起動（"コマンド＋Control＋パワー"キーを同時に押す）し、すぐに"C"キーを押してシステムディスクから起動します。Cキーで起動できない場合は"コマンド＋Option＋Shift＋Delete"キーを同時に押します。これは主に「外付け」の場合に用いられます。
  • システムディスクから起動できたら、Norton等で内蔵HDのチェックを行います。
    それでもHDから起動できない時は「新規にシステムをインストール」した方が良いでしょう。これらの解決方法は付属の「ユーザーズマニュアル」にも掲載されています。
• アプリケーションがフリーズした
  • よくあるのが「フリーズ」です。「爆弾マーク」が出ないで、ポインタが操作不能になる状況を指します。こういう時は「強制終了」させます。"コマンド＋Option＋Esc"キーを同時に押すと、強制終了できますがセーブしていないデータは破棄されます。
    内蔵HDなどに作業データを残しながら使用するアプリケーション（フォトショップやイラストレーター）は、"テンポラリィ・ファイル"があれば作業途中のデータが復帰する場合があります。但しテンポラリィ・ファイルを得るためには、強制終了後再起動する必要があります。
• 2HDが読めない・書き込めない
  • 基本的に2HDは記録メディアの中で最も"信頼性の低い"メディアです。ちょっとした埃に弱いのが原因です。さらにFDドライブ自体にも埃がたまりやすいのでマメに掃除機などでFDドライブを掃除しましょう。
    またディスクエラー等が出る2HDは、破棄して下さい。それがあなたの為だと思います。
• メモリが足りない
  • 漢字TALK6.0.4か6.0.7でようやくマルチファインダーもどきになったMACでは、複数のアプリケーションが同時に起動でき、作業環境が大幅にアップしました。しかし、その反面"必要メモリ"も増加しました。昔のようにメモリは高価ではありませんが、それでも湯水のように増やせるものでもありません。
    そこで思い切って"シングルファインダ"もどきの環境をお薦めします。実際には"ファインダー（デスクトップ画面）"が必ず裏で動いていますが、この環境であれば使用アプリケーションに残りメモリをほぼ割り当てる事が可能です。凝ったものを作成するアプリケーションは、優先的に"使用メモリ"を増やしておけば、まだマシな環境になります。
  • 但し何度もアプリケーションを起動〜終了させていると"メモリのフラグメンテーション"が発生します。そのためにも"Mac Os Purge"などを用意しておくと良いでしょう。

　以上、簡単なトラブル対処方法を紹介しましたが、トラブルは原因がひとつだけとは限らず、複数の要因で起こることもあります。そこで日頃からのノウハウが重要になりますが、以下にノウハウの蓄積方法を挙げておきます。

• 雑誌を定期的に読む
  • 雑誌にはトラブルシューティングがよく掲載されています。自分の肌に合う雑誌を最低１誌は確保しておきましょう。
• インターネットで探す
  • インターネットは情報の宝庫です。このHPのようなものが他にもあります。検索エンジンで探してみましょう。単語で探す場合は"Infoseek"などが良いでしょう。
• Tips集が掲載されている本を読む
  • ある程度専門用語がわかるようになったら、辞書のようなTips本が役に立ちます。よく外国の翻訳本がありますが、これを読破できればかなりの知識が身に付きます。

▲index

基礎知識３〜メカに強くなる

最終的にはメカに強くなるのが一番です。内蔵HDを交換する・メモリを増設する・カードを挿す、などが出来るようになると何が起きても怖くありません。しかし、何の知識もなく行うとアップルの保証が受けられなくなるだけでなく、最悪マザー・ボードを破壊しかねません。
そこで少しづつメカに強くなるためのコツを以下に挙げておきます。
危険を伴う作業になるので、自信の無い方は真似しないでください。

• 人任せにしない
  • もしもMACに詳しい人や、定期メンテナンスの技術員があなたのMACを調整する時には、必ずその工程をメモしながらよ〜く見ておきましょう。本体に付属のユーザーズマニュアルにも、メンテナンス方法が掲載されていますが百回読むよりも、一度作業を観察したほうが覚えると思います。
• 思い切ってジャンク品を購入する
  • 知人のいらなくなったMACを譲り受けたりする機会があったら、破壊する覚悟で中を開けてみるのもいいでしょう。またそういう機会がない人は、中古やジャンクのMACを購入し、これも破壊する覚悟でバラしてみるのも近道です。破壊する覚悟がない方は最低でも静電気に気を付けて、蓋をあけてみましょう。
    またモニタ一体型のMACは、キケンなので、開けないでください。

▲index

基礎知識４〜ソフトは必ず購入する

非常に当たり前な事ですがソフトのコピーは違法です。それは常識としても、まず「マニュアル」を読まなくては使いこなすことも、応用することもできません。マニュアルを読んでも何の事かわからない場合やピンとこない場合は、参考書などを購入することをお薦めします。

基礎知識５〜モニターの色調整

Macでデザインをする為には、モニターの色調整が必要です。また、作業する環境の光源や色温度がとても重要です。微妙な色合いよりもまず白や黒の調整を行うのが基本です。くわしくはＣＧ制作の基礎知識をご覧下さい。
モニターの色調整はそれぞれのモニターにより異なりますが、以下の調整が可能なモニターであればそれなりの色調整が可能です。

• ブライトネス・コントラスト調整
• 歪み・傾き・水平垂直位置・モアレ調整
• 色温度・RGBカラー調整

　以上の調整ができないモニターは、フォトショップでのデザインワークには不向きです。