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印刷用原稿の制作では、イラストレーターとフォトショップを使用した「印刷用原稿」の制作実習を解説します。


単色の版下制作

  • アドビイラストレーター7.0.1Jで制作
    • イラストレーターは、単ページものを制作する時にとても便利です。イラストやマークなどを作りながら仕上げる時には、イラストレーターだけで充分です。
    • まず、仕上げたい寸法を決定します。例えばハガキなら横150ミリ・縦100ミリなので、長方形ツールを選択します。
    • 次に150×100の長方形を作成しますが、画面上でクリックすると数値入力のボックスが表示されるので、ここで数値を入力します。通常はクリックした位置が長方形の左上になりますがoptionキーを押しながらクリックすると、クリックした位置が長方形の中央になります。
    • 数値を入力すると長方形が作成されます。長方形が選択されている状態でフィルタメニュー-クリエイト-トリムマークを選択すると、トンボが作成できます。なお、日本のトンボは「ダブルトンボ」ですが、環境設定-一般でダブルトンボをチェックしていないと、ダブルトンボを作成することができません。トンボが作成できたら、線幅を0.17ptから0.2ptくらいに設定しなおします。
    • 作成した長方形は消去しないで、ガイドラインに設定します。長方形を選択し画面メニュー-ガイドを作成を選択するか、ショートカットキーである「コマンドキー+5のキー」を押してガイドラインに変更します。
      このガイドラインは完成したハガキの裁ち落としの位置ですが、イラストレーターで部分的に拡大して作業するとどこが裁ち落としの線なのかわからなくなる事があるので、こうしてガイドラインとして残しておくわけです。
      また、ダブルトンボの外側は印刷時のマージンなので、ここにもガイドラインを引いておくと良いでしょう。ガイドラインを引くためには、定規を使用します。ウィンドウの左と上に定規が表示されていない場合は画面メニュー-定規を表示を選択するか、「コマンドキー+Rキー」を押すと定規が表示されます。
    • 続いて裁ち落としからの余白も設定します。この余白には規定がなく、そのデザインに影響されるものです。 極端に狭い幅(1ミリ以下)では、余白にならないので注意しましょう。また意図的にイラストなどを裁ち落としする場合は、トンボの外側(3ミリの余白)まで作成しておきましょう。
      トンボの外にある3ミリの余白は、あくまでも保険にすぎません。従って、慣れてくると裁ち落としから1.5ミリくらいでも大丈夫であることが理解できると思いますが、最初の内は保険を目一杯かけるつもりで3ミリ分の余白をとっておくことをお薦めします。
    • ついでにハガキの縦・横のセンターにもガイドラインを作成しておきます。先ほど作成したハガキサイズのガイドラインの中央に×印がついています。ここがハガキの中心なので、この×印を大きく拡大して縦・横のガイドラインを作成します。
  • ガイドラインのTIPS
    • 便利だからといって、ガイドラインを作りすぎるのも問題があります。あまりガイドラインを作りすぎると 拡大したときに、どのガイドラインに合わせれば良いのかわからなくなります。また、ガイドラインをたくさん作成し、 そのまま保存すると、データ量が増加します。これはガイドラインもイラストレーター上のオブジェクトとして扱われる からです。緊急に作成データを通信で送る場合には、必要なガイドライン以外は削除しておきましょう。
  • フォントのTIPS
    • イラストレーターで印刷用のデータを作成するときには、フォントにも注意しましょう。特に印画紙出力や入稿時にはTTフォントはアウトライン化する必要があります。TTフォントを本文など、文字数が多い場所に使用するのは、お薦めできません。修正などが困難になるだけでなく、出力時間も多くなるからです。本文など文字量が多い部分には、PSフォントを使用するように心がけましょう。また印刷用の原稿を作成する環境はここをご覧下さい。
      フォントの文字コードも重要です。特に漢字トーク7以降、記号や丸数字の文字コードが変更されています。印画紙やフィルムを出力するイメージセッターの文字コードは、漢字トーク6時代から変更されていません。OsakaフォントのシフトJISコード「8740」は(日)ですが、細明朝体・中ゴシック体では丸数字の1にあたります。文字パレットで入力できるからといって、安心してはいけません。
  • 色の設定
    • 単色の場合は、様々な色をつける代わりに「網濃度」でトーンをつけます。従って最初の内は色をグレースケールにして作業します。色の設定をグレースケールにするにはカラーパレットの右隅にある三角部分をマウスでプレスすると、パレットメニューが表示されるので、ここからグレースケールを選びます。
      選択すると使用できる色が「K色」のみになるので、ここで◯◯パーセントと入力して濃度を決定します。グレーの網の濃度(パーセント)は、微妙に数値を変化させて指定しても印刷時に変化を感じさせる事ができません。使用例としては0・20・40・60・80・100というように数値に規則性をもたせておくことを心がけましょう。また、最終的な出力線数によっては微妙な濃度の変化を望むことができなくなるので、新聞用の原稿などを作成する時には、網の濃度の差を充分つけるようにして下さい。
      線数による網の濃度については、印刷関連の本で勉強してください。

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単色の印画紙出力

  • 出力センターへ持ち込む前の準備
    • 出力サイズの確認
    • 出力見本
    • 使用フォントの確認
      • 作成したデータの使用フォントは、イラストレーターで確認できます。文字や図形などのオブジェクトが選択されていない状態でファイルメニュー-書類情報を選択すると、作成したデータで使用している全てのフォント名を得ることができます。フォント名の横に「TYPE 1」とか「TrueType」とか表示されています。ここでTTフォントを使用している場合には、必ずアウトライン化してください。
        また、使用していないはずのフォントが表示されている場合にはスペースや改行のフォントをまず調べてみましょう。以外な所に落とし穴があったりします。
  • フィルム出力
    • フィルム出力は、印画紙出力ができればほとんど問題なく行えます。但し、出力依頼の際に以下の事を確認しておいてください。これは印刷を担当する会社に確認します。
      • ネガ・ポジの確認
      • 膜面の上下確認
      • 線数の確認
      • 青焼きの有無の確認

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4色の版下作成

  • トンボの設定
    • 単色の時は特に意識をしませんでしたが、4色の場合はトンボの設定が必要です。トンボを選択したら、線の色をC100・M100・Y100・K100とします。太さは0.17ptから0.2ptです。
  • 色玉の作成
    • 次に色玉を作成しておきます。色玉とは色校正時にインクのノリ具合を確認したり、刷り色に間違いがないかを確認するもので、トンボ近辺に作成しておきます。ここではC版の色玉の作り方を解説しますから、この手順に従ってM版・Y版・K版のそれぞれを作成してください。
      まず任意のサイズの長方形を作成します。最大でも10ミリ幅でよいでしょう。作成したら塗りの設定で「C・100パーセント」にしてください。これでC100の四角が作成できました。続いて、この四角を隣り合わせになるように4個コピーします。これでC100の四角が5個作成できました。
      次に今作成した4個の四角の塗りの設定をそれぞれC80・C60・C40・C20と設定します。C100からC20へのグラデーションを作る要領でC100から順番に濃度が薄くなるように作成してください。
      最後にC100の四角の中に収まるように、白抜き文字の「C」をテキストで作成してください。TTフォントを使用した場合は必ずアウトライン化します。これでC版の色玉が作成できました。同様の手順で残りの3版分も作成します。但し、4版分の色玉を横一列に並べると合計20個になるので、1版あたりの四角の個数は減らしても良いでしょう。
  • ミスレジストレーション防止
    • ミスレジストレーションは、カラー間の白い隙間の事です。これを防ぐにはトラッピング処理が必要です。しかしトラッピングは隣り合わせる色の濃度により方法が異なり、予備知識が必要です。そこで簡単にミスレジストレーションを防止する方法を解説します。
      ミスレジストレーションは例えばC100のバックにY100+M100の図形を乗せるという場合に発生します。つまり「隣り合わせる色に共通する版がない」時に起こるので、意図的にそうならないように色指定を行えば良いのです。あくまでも例えですが、この場合はY100+M100の図形の色指定にC5を加えておく事で隙間をなくす事ができます。
      組み合わせる色によって、追加する色は変化します。充分注意してください。
  • ブラックオーバープリント設定
    • いわゆるスミのせの事です。例えば本文などテキスト部分をスミベタに色指定して、ブラックオーバープリントを設定しないと、抜き合わせとなり非常に見苦しくなります。イラストレーターでは、ブラックオーバープリントのフィルタがありますから、これを利用しても良いでしょうし、手作業で行うのも良いでしょう。私は全て手作業で行っていますが…。
      但し、最近のイメージセッターでは自動的にK100部分をオーバープリントするように設定されているケースが多いので、あまり気にしていない人もいますが、例えば写真の上に大きなスミベタを作成すると下の写真部分が、やや透けてしまりのないスミペタになるケースがあります。こういう時には意図的にオーバープリントをしない方が納得のいく仕上がりになります。うまく使い分けると良いでしょう。
      さらに、K100のみのスミペタでは深みがないので、これも意図的にC10を混ぜたりすると、同じスミベタでもやや深みのある結果を得られるので試してみると良いでしょう。

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4色のフィルム出力

  • プリンターで分版確認
    • いきなり出力センターに依頼しないで、プリンター出力で確認します。ここで重要なのはちゃんと4版に出力できているか・トンボと色玉は正しく出力されるか・抜き合わせとノセが正しいかどうかなどを確認します。全体のデザインなどは、これよりも前にチェックしておきます。イラストレーターから直接分版するときには、プリンターのPPDファイルが必要です。
      ファイルメニュー-プリントを選択し「色分解設定」でPPDファイルを指定すると分版出力が可能になります。また、クォークなどのDTPソフトではより簡単に分版出力が行えます。
  • 出力センターに依頼
    • 依頼書の作成
      依頼書を作成する前に印刷を担当する会社にネガ・ポジ/膜面の上下/線数などを確認しておきます。
    • 簡易校正
      急ぎの時や本紙校正が必要のない時は簡易校正で良いでしょう。
  • 雑誌広告の注意
    • 一部の雑誌広告などではスクリーン角度が異なる為、別途スクリーン角度の指定が必要となるケースがあるので、フィルム出力をする場合には必ず確認してください。
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